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ミャンマー人が見るロヒンギャ問題とは

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Global Leaders Slam Suu Kyi Over Rohingya | Financial Tribune

 

★担当ライター:サンダーさん

★プロフィール:家族の仕事の関係でミャンマーに駐在。旅行が趣味で東南アジアのアクティビティも様々経験。現地語のミャンマー語を勉強しながら、ローカル色豊かな生活をエンジョイしています。

 

最近日本のテレビでもロヒンギャ問題が頻繁にニュースで登場するようになりました。国際的な問題となっているので関心も高いのですが、実際のところロヒンギャ問題とはどのような問題なのでしょう?そしてミャンマーの人たちはどう思っているのでしょう?現地に住んで肌で感じていることをお伝えします。

 

 

ロヒンギャ問題とは

ロヒンギャとは、イギリス植民地時代に隣の国であるバングラデシュから来たイスラム教徒の集団で、後にミャンマーが軍事政権下の時代に突入してからは国籍も与えられず、迫害を受けてきました。ロヒンギャの人たちは近隣のタイやマレーシアに逃げていく人達もいましたが受け入れを拒否され、実質上の難民となり、一部は武装化してミャンマーの軍や警察と対立することも。2017年夏には1000人以上の犠牲者を出すまでになって国際的な問題となっています。

 

絶大なる人気のスーチーさんとは?

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Myanmar violence: Aung San Suu Kyi under pressure as Muslim Rohingya crisis continues

 

ミャンマーでは国民の英雄として称えられている「ボージョーアウンサン将軍」その娘のアウンサンスーチーさんは軍事政権下時代には度々軟禁され、ミャンマーのことを知らない人でもスーチーさんの名前を言うと、知っている人も多くいるほどです。スーチーさんの現在の肩書は国家顧問としてASEANなどの国際会議に出席したり、ミャンマーと世界をつなぐ役目を担っています。スーチーさんは国民から絶大なる支持を得ていて、彼女が率いるNLDという政党には、多くの支持者がトレードマークの赤いTシャツを着て、応援しています。長い軍事政権からようやく民主化の一歩を踏み出したミャンマーでは、スーチーさんは国民希望の星なのです。しかし、今回のロヒンギャ問題では、何もアクションを起こさないとして国際的に批判を受けていると報道されています。

 

実際にミャンマー人はどう思っているの?

ミャンマー人の大半は仏教を信仰しています。ただ、キリスト教ヒンズー教、今回問題となっているイスラム教を信仰する人もいます。異宗教の人たちと暮らすというのは、日本ではあまり感じませんが、自分たちが信仰している宗教の考えを、異なる宗教を信じている人とは理解しあえないという前提があります。ただ、ミャンマー人が良く言うのは、「スーチーさんがロヒンギャ問題を考えていないわけではない。」ということです。ミャンマーの人たちはスーチーさんがいる政府内には法律で軍関係の人も一定人数いることを配慮し、国内がロヒンギャ問題によって分断されないように調整していることを新聞等でよく知っています。ロヒンギャ問題でスーチーさんだけを非難するのは、国民には一番辛いことなのです。

 

今私たちにできること

犠牲者も増えてきているロヒンギャ問題を解決するためには、もちろん国際的な人道支援は必要になってきます。ただ、ロヒンギャの問題はミャンマーにおける宗教的な問題だけではなく政府や軍との関係、新しい政権下での舵取りなど思っているよりも複雑な背景があります。私たちは早期的解決へのアプローチではなく、複雑に絡み合っている状況を理解することが大切です。現ミャンマー政府がロヒンギャの問題について何も対策を考えていないわけではないということを理解し、ミャンマー政府が行動しやすいような後方支援を第一に進めることを願っています。

 

まとめ

日本にいると宗教間の問題は目にする機会は少ないですが、海外にはロヒンギャ問題のように複雑な背景をもつ問題が沢山あります。解決すればすぐに平和になるというわけではないのです。実際にどんな問題が起きているのか正しい情報を入手し、どのような対応が必要か考えることが大切ではないでしょうか?

 

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