一言に「留学」と言っても様々な種類があります。一番メジャーなのが短期の語学留学と1年ほどの交換留学ですが、海外の大学に4年間通い正式に学位を取得する、正規留学というものをご存知でしょうか?
今回は、アメリカのペンシルバニア州立大学に4年間を過ごした筆者の体験をもとに、アメリカでの正規留学のメリット・デメリットについてご紹介します。
正規留学とは?
まず、正規留学とは海外の大学に4年間正式な生徒として在籍し、その学校から学位を授与されることを言います。
正規留学では、留学生でも現地学生と全く同じ土俵で勉強していきます。
受ける授業も、評価のつけ方も、テスト内容も、単位数も、全てネイティブの学生と同じ基準で4年間過ごします。
もちろん授業についていけなければ、留学中でも単位を落としたり、留年、最悪退学なんてこともあり得ます。
正規留学をするメリット
メリット1:レベルの高い教育を受けられる
アメリカでの正規留学のメリットの一つ目は、日本の大学よりもレベルの高い教育を受けられることです。
アメリカには数多くの名門校があり、日本の大学よりも授業料が何倍も高いので、大学の設備投資はもちろん、教授のレベル、学生に対する様々な支援体制、最先端の研究など、日本の大学よりも良い教育環境である場合が多いです。
例えば、ペンシルバニア州立大学では、大学が巨大天文台を所有していて、航空宇宙工学の学生が研究に使用できたり、政治学部の学生向けにワシントンDCの政府機関でのインターンシッププログラムと提携していたりしました。
メリット2:圧倒的な英語力が身につく
4年間毎日、現地の学生と同じレベルの講義に出席し、英語でネイティブとのディスカッションに参加し、数百ページもの教科書を読み、毎学期ごとに膨大な論文を書かされる正規留学生は、交換留学や語学留学などではとても身につけられないレベルの高い英語力が身につきます。
卒業する頃には日本語を少し忘れてしまうほど、英語漬けの生活を送れるのは正規留学の特権です。
メリット3:海外で働くチャンスが与えられる
日本の大学を卒業すると、海外で就活をし海外の企業から内定をもらうことはほぼ不可能に近いです。しかし海外の大学を卒業した人は、語学力があるのはもちろんのこと、現地での就活もしやすく、そのまま仕事をすることも可能です。
アメリカの大学を出ると、母校のOBOGのコネを使ったり、大学内での就活フェアに参加できたりと、有利なことが沢山あります。
もちろん、ネイティブの就活生を相手に、海外企業から内定を勝ち取るのは簡単なことではありませんが、海外で働く夢を持っている人は、正規留学をオススメします。
正規留学のデメリット
デメリット1:学費が高い
正規留学の最大のデメリットは学費が高いことです。
例えばペンシルバニア州立大学の学費は年間430万円ほどで、私立になると年間600万円ほどする大学もザラです。安い大学でも最低200万円はします。
「コミカレ」と呼ばれる2年制大学では、授業料が年間100万円前後のところも多いので、まずは2年制大学を卒業してから、4年制大学の3年次に編入するという学生も多いです。
学費の他にも、正規留学では現地での生活費や旅費などがかかるので、日本の大学に実家から通うのと比べると、莫大なコストがかかります。
デメリット2:就活時期がズレる
卒業後、日本の企業に就職したい場合、正規留学をすると就活時期がずれます。
アメリカの大学は基本的に9月入学5月卒業なので、日本の企業に就職したい場合、4月入社はできません。
最近は留学生用に9月入社を受け入れている企業も多くなってきましたが、少なくとも卒業後数ヶ月は待たないといけません。
就活をする時も、海外にいると面接や企業説明会などに直接行くことができず、スカイプ面接を行なっている企業などに偏ってしまうことになります。
まとめ
正規留学は一般的な留学と比べてハードルが高い分、得るものが非常に大きいです。
金銭面や就活面で苦労をすることもありますが、正規留学でしか味わえない本場の教育と、世界で戦える本物の英語力を身につけることができるのは、価値のあることだと思います。
高いレベルの教育を受けたい!グローバルに活躍できる人材になりたい!という夢を持つ人は、ぜひ正規留学という選択肢を視野に入れてみてください。
★担当ライター:エレンさん
★プロフィール:日本の高校を卒業後、レイクランド大学ジャパンキャンパスにて準学士号を取得し英語力を向上、その後アメリカのペンシルバニア州立大学にて教育政策学を専攻。留学中から交際を続けていたアメリカ人男性と大学卒業後に国際結婚し、現在はニューヨークにてオンラインビジネスを起業。
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