page contents

ひつじ編集長の海外ラ・ボ!

語学のこと、旅のこと、ブログのこと、その他幅広く。

インド最悪な列車旅

f:id:kotobalover:20161111222500j:plain

インドの旧首都コルカタから、パトナという町まで向かう電車だった。僕はその時何一つ調べず、とりあえず駅に行って、とりあえず目的地までの切符を買った。果てしない長さの車両がゆっくりとホームへやってきて、電車旅好きの僕はワクワクしながら、インドで初めての電車へ乗り込んだ。
 
乗車すると、社内には埃と汗と垢が染み込んだ3段ベッドが所狭しと並び、インド人達で溢れかえっていた。それに彼らの発するスパイシーな香りがツンと鼻を刺した。

f:id:kotobalover:20161111222457j:plain

開いているベッドに座り、ひとまずこの空気に慣れようと思った。彼らインド人達は外国人が珍しいのか、フレンドリーだけなのか、とにかく話しかけまくってくる。「家族は何人いるんだ」「今の日本の首相はどうなんだ?」「日本の歌を聞かせてくれ」と止めどなく喋り続けてくる。電車旅中はゆっくりと外を見て、物思いに耽りたい僕としては、あまりありがたい状況とは言えなかった。
 
そんなことをしていると、1人のインド人が僕の前に来て、「ここ俺の席だから、変わってもらっていい?」と来た。まさかこの電車が予約制なんて思いもしなかった。適当に切符を買って、適当に乗り込んだだけだったので、予約かどうか何て確認すらしなかった。仕方なく立ち上がり、空席を何とか探し出し、ふっと落ち着きしばらくすると、周りにいる新しいインド人達からまた質問攻撃が始まった。勘弁してくれと思うと、再び同じように「ここ僕の席だからどいてくれる?」みたいなやつが現れた。このやりとりを後数回繰り返し、夜が更けていった。そのころになると僕は空席を求めて、列車の端から端まで歩いた。しかし、どれだけ探しても空席はない。2週目になり元いた場所に戻ってくると、顔を見知ったインド人が声をかけてきた。「僕のベッド狭いけど、よかったらここで寝なよ」と彼は言った。ベッドは本当に狭い。人ひとりがやっと横になれるくらいの幅だった。このまま列車内をふら付いていても仕方ない、と意を決し、僕は彼のベッドに横にならせて貰うことにした。しかし頭と頭を同じ方向にして横になるには、ベッドが狭すぎる。すると彼はすっと向きを変え、彼の足が僕の目の前に、僕の足が彼の目の前に来た。更ける夜と電車内の薄明り、大きすぎる電車の振動とインド人達の寝息。そして目の前にある彼の足の微かな悪臭を子守唄に僕は浅い眠りについた。

f:id:kotobalover:20161111222459j:plain

インドで寝台列車に乗るときは必ず指定席を買いましょう。 

プライバシーポリシー